臨床活動

医療従事者の方へ

  本学で第3内科が担当する分野は腎臓病、代謝内分泌疾患、膠原病です。これらの疾患は、全身性の疾患であり、主訴が疾患の原因となる臓器とは空間的にはなれているために、診断には知識あるいは経験が必要です。腎臓病であれば、訴えは呼吸困難、浮腫、皮膚症状などが主訴であり、原因となる膠原病、悪性腫瘍などの隠された疾患へも目を向ける必要があります。甲状腺疾患であれば動悸、息切れや、体重減少、全身倦怠感、無気力などが患者さんの主な訴えとなります。従って診断には全身をきちんと系統的に観察あるいは診察する事が必要です。我々第3内科の目標はこれらの疾患を診療し、全身状態を把握できる医師を育てる事にあります。また、現代の医療を切り開いていく為には、患者さんを科学的な視点から診療する事が必要です。当教室では、基礎医学の実験を通じて科学的視点から観察する能力を獲得しあるいは、カンファレンスを通じたディスカッションや定期的に開催される医学論文の詳読会などからお互いの研鑽につとめています。

腎臓病

対象疾患

蛋白尿・血尿、ネフローゼ症候群をはじめとする糸球体腎炎や間質性腎炎、電解質・酸塩基異常、急性腎障害(急性腎不全)、慢性腎臓病(慢性腎不全)、多発性嚢胞腎などの遺伝性腎疾患の診療を行っています。

診療内容

腎組織病理診断、腎代替療法(血液透析、腹膜透析、腎移植)、糸球体腎炎や膠原病に伴う腎障害に対し免疫抑制療法を行っています。

入院

平成26年の年間入院患者の腎生検は42名、新規透析導入患者は46名、その他特殊血液浄化(血漿交換や選択的血球成分吸着療法)はのべ76名でした。腎生検は、十分なインフォームド・コンセント(説明と同意)の実施、医療の質の確保・在院日数短縮を目的としたクリニカルパスの活用を心掛けていきます。当院は日本腎臓学会研修指定施設・日本透析医学会研修認定施設・日本アフェレシス学会認定施設となっております。

外来

対象疾患に対する専門的な検査治療を行っています。

慢性腎臓病は透析治療が必要となる末期腎不全の予備軍であるばかりでなく、心血管障害や脳血管障害の重大な危険因子であることが知られています。このような慢性腎臓病の方は日本腎臓学会の統計では国内に約1330万人に上るとされ、山梨県内でも6万人近くがこの慢性腎臓病に該当するとされ当院のみの診療は不可能です。

そこで、全ての患者さんが早期から適切な治療が受けれることを目的に山梨県内の開業医の先生の協力を得て、慢性期の検査や治療をお願いすることで、診療連携を行っています。

糖尿病

対象疾患

1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、その他の糖尿病、低血糖症、メタボリック症候群を含む耐糖能異常。当院は日本糖尿病学会研修認定施設となっています。

診療内容

山梨県下で当科は糖尿病診療のセンターとしての機能を担っており、多くの紹介患者様を受け入れています。 当科での糖尿病診療のポリシーはまず、病態に基づいた治療を心掛けています。種々のインスリン製剤や近年多様化している各種経口血糖降下薬を豊富な経験に基づいて使用し、有効な治療を実施しています。次に先進的な糖尿病治療を取り入れて診療しております。例えば、血糖値のコントロールが困難な1型糖尿病患者さん、糖尿病合併妊婦さんにはインスリン持続皮下注入療法 (continuous subcutaneous insulin infusion: CSII)や連続血糖測定(continuous glucose monitoring: CGM)を積極的に導入し、良好な結果を得ています。 また2014年12月から日本でも使用開始となった連続血糖測定器とインスリンポンプが一体となった機器の導入も進めています。糖尿病患者さんの教育・療養指導にも積極的に取り組んでいます。医師の他、看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士とチームを作って協力体制をとっています。毎週、チーム全員が集まって、患者さんについての糖尿病療養指導カンファレンスを行い、個々の患者さんに合わせた、きめ細かい療養指導・治療体制を実施しています。

入院

平成26年の年間入院患者の糖尿病は117人、内分泌疾患は83人でした。

外来

糖尿病は、近年顕著に増加してきており、それによる合併症の発症は、患者さんの生活の質を著しく損ないます。 例えば糖尿病は、成人の中途失明や新規透析導入の第1位あるいは第2位の原因となっています。 さらに、高脂血症や高血圧とならんで心筋梗塞や脳卒中の主要な原因ともなっています。糖尿病は近年急速にその患者数を増やし、IDFの報告によれば2013年の日本での糖尿病患者の有病率は7.6%であり、約780万人と推定されていますが、2035年には1670万人と予想されています。さらに境界型糖尿病が心血管疾患や脳卒中の原因となる事を考慮すれば、さらに多くの患者がその治療対象となると考えられます。対象患者を本院のみで診療を行う事は不可能であり山梨県内のほかの病院や、開業医の協力を得て診療を行っています。

内分泌疾患

対象疾患

甲状腺疾患、視床下部、下垂体疾患、副腎疾患などの診療を行っています。

入院、外来、診療内容

甲状腺疾患においては、通常の診療に加え、甲状腺超音波診断、超音波ガイド下甲状腺生検が実施可能になるべく研修を行っております。原発性アルドステロン症やクッシング症候群など副腎疾患は、検査技術の向上に伴い急増しています。当科では選択的副腎部位採血を放射線科と協力し積極的に実施しています。 卒後臨床研修の3ヶ月の研修においても数例の症例を担当することが多くなっています。下垂体疾患では、進歩の著しい先端肥大症の治療、選択的部位採血による診断、成人成長ホルモン欠損症の治療などに積極的に取り組んでいます。内分泌疾患には遺伝子の異常が原因になっている疾患が数多くあります。 例えば、多発性内分泌腺腫症(MEN)、甲状腺ホルモン不応症、家族性低カルシウム尿性高カルシウム血症などに対して、遺伝子解析を駆使して診断や病態の解析を行っています。

リウマチ・膠原病

対象疾患

関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎・多発性筋炎、強皮症、混合性結合組織病、血管炎症候群(顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、高安動脈炎、巨細胞性動脈炎など)、成人発症スティル病、シェーグレン症候群、ベーチェット病など。

※当科では、アレルギー専門外来や線維筋痛症専門外来は行っておりません。

診療内容

・関節リウマチの診断や病勢評価、治療方針検討のための積極的な関節エコー検査

・関節リウマチに対する生物学的製剤を含めた抗リウマチ薬による治療

・各種膠原病に対する免疫抑制療法

入院

・各種生検(腎生検、筋生検、皮膚生検、神経生検、側頭動脈生検)をすべて当科で施行

・ステロイドや免疫抑制剤による治療

・血漿交換などのアフェレシス療法

・併発する感染症治療

※当院は日本リウマチ学会教育施設となっております。

外来

・対象疾患に対する専門診療

関節リウマチの治療は免疫抑制剤や生物学的製剤の登場で大きく進歩しています。診断および病勢評価に関節エコーを積極的に用いて診療の質を高めています。また、人工関節置換術などの関節手術が必要な場合は、リウマチ膠原病センターを共に担う整形外科と連携して適切な診療を行います。

同センターは、当科、皮膚科、整形外科が協力し、通常診療においても、難渋する患者さんの診療においても連携しやすい環境が整っています。また、当科の後期研修医にとっても、手術症例や特異的な皮膚所見を学んだり、各種生検から病理検討まで一連の経験ができ、広範な専門分野を学ぶには非常に恵まれた環境が提供できます。

全身性エリテマトーデスや血管炎などの膠原病に対しては、ステロイドや免疫抑制剤による寛解導入・維持療法を行っています。膠原病は皮膚や肺、腎臓、神経、消化管、眼など多臓器にわたり症状が出ます。必要があれば、関連各科との連携を行います。リウマチ膠原病グループは2016年から新体制となっており、リウマチ膠原病を専門にする医師は充実しております。

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